TAROT WITH COSMOS〜M.Cタロットの詩 全集
TAROT WITH COSMOS
~M.Cタロットの詩集~ 目次編
タロットカードに捧げる、私のオリジル詩集です。2005年〜2006年の制作です。
——この詩は、手渡しで言葉を届けていた頃の記録。
その息づかいのまま、ここに残しています。
銀河 蒼く光る天狼星よ 流浪の吟遊詩人
彼はFOOLと呼ばれる カードに閉じ込められた魂のさすらい人 今宵抜け出す22枚
COSMOSへと螺旋を描き いざ誘おう
0 愚者 もはや彼をDonJuanドン・ジュアンと呼ぶ者はいない
なぜなら彼は世捨て人 何処ともなく彷徨う吟遊詩人
1 魔術師 黒いまなざしのマジシャン 輝く意思の発光体で
純化した結晶体のダイヤモンドを手にかざす その秘儀の英知を披露しよう
2 女教皇 夜空に透き通るひび割れた薄い新月は 女教皇の額に伝わる涙の跡
私は月暦を数え静かに時を待つ いつも いつも
砂時計時を刻んで 誰も来ない アラバスターはらはらと 濡れたつま先 氷の女王
3 女帝 春の三女神 油彩画の命宿る プリマヴェーラの唄に夢うつつ
木陰で髪をとく女帝 美しきその指先で 豊穣の夢紡ぐ糸
4 皇帝 鈍くきらめく剣を杖に皇帝は 整列した戦闘機を指揮する
失墜の南十字星 真昼の黄金は 熱風に溶けていく
5 法王 神に捧げる聖なる戦い ステンドグラスの兵士たち
彩られた幻影 教徒に支えられた法王は1000年を生きる
6 恋人 紅い実のなるエデンの恋人たち キューピットの放つ恋の矢 若者を悩ませる
黒のリリスと白のイヴ 二人の愛人 求愛の迷い
7 戦車 金糸の髪をなびかせて スフィンクスの馬車 フェラーリさながら操縦する王子
もっと速くもっと遠く 勝利のシバ神を追う 直線の高速ライン
8 力 海の向こう 砂漠のライオン やわらかな乙女の両手に服従し
愛と言う名の絶大な力で 調教する少女
9 隠者 カンテラ照らして 見知らぬ浜辺 あの夜出会った
名も知らない隠者の足跡
10 運命の輪 愛しい人間たちよ! 廻る宇宙の螺旋 巡行する星の定め 運命の輪
夜の海岸線に光が走る 壮大な観覧車 私は膝まつくだけ
もうあなたの後ろ姿が見えない
11 正義 波打ち際のアストライア 正義の女神 揺れるLIBRA
ねじれた時間の悲しみと無くした愛の喜びは 永久に釣り合わぬ定め
12 吊られた男 霧の立ち込めた森林の奥深く 吊るされた男は
覆い被さる流星群に 鎖に繋がれたアンドロメダ王女の姿を観た
動く大地に目を閉じて
13 死神 DETH 冥界の石榴をいかが 13月は死の匂い
消印は黄泉の果て 砕かれた蝶々 カオスの海へと全て連れて行く 黒装束の騎士
14 節制 神々しいミカエルよ その胸に流れる涙は誰のものでしょう
節制 ハートのシトリン アイリスの泉 飛び立つ天使
15 悪魔 パッション 原罪 荊のように絡みつく その目の悪魔 張りぼての仮面を外せば 此処は地の底 地下室に原色の芥子の花園
16 塔 空を割るバベルの塔 落雷きらめき
崩壊する 音のない ブラックホール 溶ける 離れる フォトン(光子)が包む
灰と雲海 闇が広がる
17 星 ・・・上昇する星座 アクエリアス 英知の美少年ガニメディウスの水瓶から
注がれた 天上の星のイマジネーション 母なるガイアに朝の光が
18 月 ネオンサインの花街 沼の水面にゆらゆらと 妖しい月が映り込む刻
異形の幽体這い出でる 瑪瑙の燭台 紫の蛍石
19 太陽 膨大するエネルギー 灼熱の太陽の下で君と出会う
月暦の子供と 太陽暦の子供 君は私 見たことのない私 それは誕生 それは変身
20 審判 雲の切れ間 響き渡るラッパの音 開いた棺 審判の時
生まれ落ちた傷痕は 海の泡になる 大天使ガブリエル
ポーラースター仰いで イルカの群れなす 海上の方舟
21 世界 WORLD 世界はあなたの足元に
地 風 水 火とこの生命
脈打つ 鼓動と体温のぬくもりは あなたの手の中に
0 愚者

もはや彼をDon Juan ドンファンと呼ぶ者はいない
なぜなら彼は 世捨て人
何処ともなく彷徨う 吟遊詩人
cognacコニャックの酒杯
大地に注いで祝宴を
ポケットの銀貨ばらまいて
朝露のクリスマスローズの葉陰にコイン
黎明は夜明けの湿った粒子
霧を纏う 神聖なエピキュリアン
醒めきった FOOLISH愚行
蜜月は去り
愛の情熱は燃え尽きて
彼の魂は彼の小宇宙へと飛び立つ
絶望の夜は0ゼロに向かう旅の幕開け
果てしない銀河の天狼星
そして彼を愛する私も
終わりなきFOOLISH
1 魔術師

黒いまなざしのマジシャン 輝く意思の発光体で
純化した結晶体のダイヤモンドを手にかざす
その秘儀の英知を披露しよう
水星より流線型描いた光線 視界をさえぎり
一点に集中したエナジー四元素
万華鏡 光を集めて 反射鏡 プリズムで放つ
フラスコの中の愛 溶解する液体 渦巻くタキオン超高速仮想粒子
コールタールを内包した水晶は 金剛石に劣らぬ輝き
あまつ眠りさえ 体温の下降が 鎮静する思考を助く
シナプスの化学反応
彼はひらめきを記述する 大地に捕獲された表現者
切り取られた 錬金術の暗号は
古びた 蝶の標本箱の 裏表紙

2女教皇
 
さらさらと衣擦れの部屋 日没前の祈りの祭壇
夜空に透き通る ひび割れた薄い新月は
宵闇に滲んだ涙の波紋
裏庭の彫像 殉教者聖バレンタイン
貴女は月暦を保持して 静かに時を待つ いつも いつも
砂時計 時を刻んで 誰もこない
アラバスターはらはらと 濡れたつま先 氷の女王
裾に横たわる蒼い三日月 それは
凍結したままの感情のオブジェ
教えてください どうか 湖に沈めた銀の指輪
見つからない 深層の何かを 私はどこへも行けないのです
水滴落ちるガラス窓に 忍び寄るゴーストの幻影
・・悲しげに見つめた 男装の女教皇ジョアン

3女帝

油彩画の命宿る 春の三女神
そよ風のデュエット 艶やかな髪を梳く
豊穣の夢紡ぐ指先
陽光浴びる樹々の緑 愛を奏でる竪琴
今日を愛し
光を美を 優しさを愛する
色褪せない 理想を描いた画家の夢
いつの世にも受け継ぐ イデア
愛を宿して 愛を抱きしめ
形を変えて 時が忘れ去っても
太陽圏で身を焦がし 蘇る不死鳥のように
愛はどこまでも愛に近づく
白いキャンパス どんな愛をデッサンしよう

4 皇帝
 
鈍くきらめく剣を杖に皇帝は 整列した戦闘機を指揮する
失墜の南十字星 真昼の黄金は 熱風に溶けていく
321・・
管制塔で指示を待つ軍曹
民衆の喚声に決別した夜
地雷は蜘蛛の糸 砂漠に散る名も無き赤い花
レーダーに狙われる都市 鉄の花火の宴
埋め込まれた記憶 眼を凝らせば
歴史は繰り返す 自動装置のように
王座と引き換えに 塗り替える未来図
我らの絶対国家よ
エゴイストの手から手へ
金塊は地中に埋もれて陽の目をみない
大衆は願う 真の平和を
今日も願う 裏切りのない明日を

5法皇

神という名のもと 聖なる戦い ステンドグラスの兵士たち
五色の光に 映し出された法皇はmillennium1000年を生きる
空を飛ぶ夢 航海する夢 digital cyber survival
高速化する文明の 暗号化されたmatrix
目指すは最先端 乗り込む異郷の地
陸に打ち上げられた異形の深海魚
海底都市は伝説 パノラマの空中庭園
ファンタジーなんてない 四次元の世界史
今夜 静まりかえった 砂漠のピラミッドに眠る
蘇った目のエメラルド
伝えよう その昔 迫りくる熾火を逃れ
語り継がれた真実の言葉
中世の聖堂に 燦然と胸打つそのpassion
微かな陽光に Gothicの魔法 色ガラスの晩餐会

6 恋人

赤い実落ちた エデンの恋人たち
キューピットの放つ矢 若者を悩ませる
ふたりの愛人 求愛の迷い
恋の媚薬と 薔薇の花束
馥郁たる香り 指先に棘の痛み
微笑みかける エロス
手と手を繋いで 都へと誘う白のイヴ
瞼の向こうに タナトス
永遠を夢見て 死海で暮らす黒のリリス
愛の季節 舞い降りたインスピレーション
彫像に恋焦がれた ピュグマリオンのように
黄泉へと花嫁を連れ戻す オルフェウスのように
アンニュイな午後 誘惑の時間
華やかな憂い分かち合う 六月の恋人

7 戦車

金糸の髪をなびかせ スフィンクスの馬車
フェラーリさながら操縦する王子
もっと速く もっと遠く 勝利のシバ神を追う
直線の高速ライン
風を切って 7月の夜明け 朝日が屠る南斗六星
白鳥座のデネブ墜ちて 天の川 海に消えた
アクセル全開 南南東へ
遠ざかる街 白い夏椿 敷いた轍
乾いてゆく涙 加熱した情熱の行く先は
鍵盤の上で華麗に疾走する 七オクターブのロンド
僕には聴こえるんだ 止まらない風のプレスト
一番底から 一番の高みまで
抜けるような青空に 眩しく誓った愛は
金ぴかの勲章さ
魂の王道を戦車は進む

8 力

キャッツアイ 光る眼が 闇で獲物を狙う
野生の獣の 汚れなき欲望
忍び寄り 捕らえる 純粋な本能
恋につまずいた時 寂しさに打ちひしがれた時
遠くで呼ぶ 懐かしい声 耳を澄ませば
優しさの光に照らされた朝
泣きぬれて 眠れない夜
怒りで震えた ジェラシーさえも
自然という 神の造形した 美しいデジャヴ
愛という絶大なパワーをコントロールして
乙女は 夢の実現を叶えるでしょう
手にあまる 喜怒哀楽を飼いならして
休息すれば
奇跡を起こせる それは優雅なる力

9 隠者

カンテラ照らして 見知らぬ浜辺
あの夜出会った
名も知らない隠者の足跡
傷心捨てきれず 都市の喧騒から逃れたかった
檸檬色のカクテルは 行き場のない恋を忘れる薬
此処では星がきれいに見える 望遠鏡で見るように
海を隔てた荒野で 人魚の物語を思い出す
その昔 美しい声と引き換えに恋を夢見た
私はその幻の歌声に 想いをはせて慰められた
誰にも言わないで この恋の魔法が解けるから
そう時折 あなたには打ち明けに来るから
苦しいときは この洞窟に 隠れていたい時がある
夜に訪れ 星の話 歴史や精霊の聞いたこともない話を
伝えてくれる隠者 彼が何処から来て何処へ行くのか
誰も知らない 道先案内人のアルケミスト

10 運命の輪

スペード ソード 神風 運命の輪
時を超え 距離を隔て 同じ終点へと向かう
引き潮 満ち潮 ジュピター 拡がる
Xを数える間に 愚者がやってくる 口笛吹いて
愛しい人間たちよ! 廻る廻る 宇宙の螺旋
巡行する星の定め 夜の海岸線に光が走る
洪水のような記憶 壮大な観覧車の幻影
見上げたサザンクロス 南極指す十字架
もうあなたの後ろ姿が見えない
日没 日の出 満月数えた 月暦
また出逢えたら 今度は 笑って花を掲げよう
あなたを悲しませるなら もう恋など しない
運命は等しく訪れる 幾千ごとの津波のように
運命の呪縛から 解き放たれよう 醒めない夢に

11 正義

波打ち際のアストライア 正義の女神 揺れるLIBRA
ねじれた時間の悲しみと 失くした愛の喜びは
永遠に釣り合わぬ定め
海を見降ろす神像 廃墟のアクロポリス
神殿の名残は白亜のカリアテッド
セルリアンブルー 裸足で歩く星の砂
大理石の円柱 対のすき間を吹き抜ける風
黄金分割 調合した香油を希釈
銀の杯に没薬の宵 午睡の乳香
右の柱〈幻想〉にくちづけ 左の柱〈律法〉に頬寄せ
赤い蝋燭に灯りを 青い蝋燭に叶わぬ想いを
バランスのつづれ織り カルマとダルマ
纏うあなたが見る夢は 遥か異国の原風景

12 吊るされた男

霧の立ち込めた森林の奥深く 吊るされた男は
覆いかぶさる流星群に 鎖に繋がれたアンドロメダ王女の姿を観た
動く大地に 目を閉じて
闇に背を向け 瞑想に耽る この静寂に 彼は何を思う・・・
嘘と真実 あなたと私
自由と隣り合わせの不安と 永遠に見つけきれない夢
優しさの裏に潜んだ エゴイストなる毒薬
浴びるような 酒の替わりに
満点の星が降り落ちる FOORISH(愚者)の末路
この地上から宇宙に還り 180度反転した世界
遂げられなかった野心と すれ違った愛が
夜の片隅で 消えていく宵
やがてくる 試練の果て 悟りの彼岸

13 死神

DETH 冥界の石榴をいかが 十三月は死の匂い
消印は 黄泉の果て
砕かれた蝶々 カオスの海へと
全て連れ行く 黒装束の騎士
変容していく過去 引き摺られていく未練の恋人
沈まない太陽 白夜 湖のほとりで
眠れない私の魂が あなたを呼んでいる
夜毎彷徨う 死の淵で 現に呼び戻す白い薔薇
未完成の肖像画 擦り切れて置いた絵筆
連鎖していく昨日の嘆き
栄光の大鎌で 刈り取る挫折は 激流の川で
やがて無になる 冥府への入り口
死の神は 白い馬に乗って 玲瓏と現われる
暁の空を緋色に染めて 時の再生を祝うように

14 節制

神々しいミカエルよ その胸に流れる
涙は誰のものでしょう
ハートのシトリン アイリスの泉 翔び立つ天使
虹彩の空を行く 雨に翼を濡らしたANGEL
水辺の花を摘み 恋の明日を占う乙女よ
願いをどうぞ叶えて 白いブーケを飾りましょう
涙の雫は 海と繋がり
きらきらと 玉虫色の 儚い恋たち
天界にも 恋はあるのでしょうか
私はその天界に恋してる ミカエルよ
静かな心の草原が 眩しい光に包まれると
極彩色の世界が 見えるという
雨上がりのアスファルトには
舞い降りてきたような 羽が落ちていた

15 悪魔
パッション 恋の原罪 茨のように絡みつく
その目の悪魔 渦巻く欲望
張りぼての仮面外せば
此処は血の底 地下室に 原色の芥子の花園
荒野の難破船 幽閉された 迷宮の砦
剥がれた壁画のドームを
顔のない堕天使が 羽のない姿で飛んでいる
懺悔の鎖と足枷 この悲しみと
溶けていく翼のダークエンジェル
螺旋階段 虚像の人影は 鏡に映らぬヴァンパイア
蝕まれていく永遠を 供に棺で眠る
色褪せたドレスのビスクドール
死ぬことなき 貴方は羨む
花を踏み 美を誇るナルシスの亡骸
掘り起こす 泥にまみれた指先の情人

16 塔

空を割るバベルの塔 落雷きらめき
崩壊する 音のない ブラックホール 溶ける 離れる フォトン(光子)が包む 闇が広がる
うたかたの夜 断崖の人生劇場
演じるピエロは白塗りの仮面
皮肉の効いた ひとり芝居
今宵のセリフは 誰に捧げようか 白紙の台本
張り詰めた感情線は
限界まで 境界をとうに超えて
下界を見下ろす 塔の天辺に 掠め飛ぶ あれは隕石
いつの日か 燃え尽きる星々
人びとは列をなして 革命の反旗をひるがえす
コントロールされた情報網
からくりの統治
踊らされるのはもうたくさんだ!と
さあ 今だ
飛び込もう 光の渦に
父よ! 神よ! と叫びながら
星屑の宙へ舞う

17 星
・・・上昇するアクエリアス
英知の美少年ガニメディウス
平原に佇む裸婦に流れる 天上の星のイマジネーション
母なるガイアに 朝の光が
赤から黄色へ 緑から青へ 白から銀色へと抜けていく
サテンにみまがう 発光する新しい皮膚の裸体
宇宙の聖水を浴び 瞑想する受容体のシンパシー
天の柄杓は北斗七星 夢を仰いだ古代の地球
コンパスと定規で 縁取った曼荼羅
新しく発見されていく 遠い星の 遠い光よ
溶け合う進化 天文科学と芸術は
純化していく意識の サイキック
反射した星の 自ら放つ輝きは
銀河を渡る 転生のファンタジー
18 月
ネオンサインの花街 沼の水面に ゆらゆらと
妖しい月が映り込む頃 異形の幽体這い出でる
瑪瑙の燭台 紫の蛍石
欺瞞と罠が充満している 草陰の細い記憶の小道
退行催眠 スカラベや無脊椎動物が 蠢く世界
私を探して時を辿る 文明の灯火
桜舞う狂乱の春 悲恋の都で 熱にうなされた
あのままそこで 目を閉じたなら 永遠の桜吹雪に埋もれて
あのままそこに 佇んでいたなら 気のふれた 月世界の住人
夢幻の樹 花は散るからこそ美しく
あとは闇夜の 煌々と照らす月
満月に吠える狼 魑魅魍魎を威嚇する犬
瓦礫の無法地帯 闊歩する姿なき影たち
19 太陽
膨大するエネルギー 灼熱の太陽の下で 君に出会う
見たことのない君と僕 太陽歴の子供と 月暦の子供
出逢い それは誕生 それは変身
表面は炎のコロナ 万物の生命育む太陽よ
金の籠で鳴くカナリアは 透けたルビーの目のアルビノ
蛹の中で異形に変わる 濡れた羽のアゲハ
光 緑 美しい地球へ羽ばたく
パラレルワールド 向日葵の庭で遊ぶふたり
姿 形 変わっても 永遠の愛と友情に
新しい周期が始まる 眩しい青 澄み渡った空と海
陽が昇る岩崖に 手を繋いで座る裸の二人は
絶対の愛に在った 夢ではない暖かい光
20 審判
雲の切れ間 響き渡るラッパの音 開いた棺 審判の時
生まれ落ちた傷痕は 海の泡になる 大天使ガブリエル
ポーラースター仰いで イルカの群れなす 海上の方舟
眠りにつく 白い朝
霧のような楼閣の 跡形もない残像
海に浮かんだ涙が 死者のもとへ漂う波音
死はひとりひとりのものではなく
回転し続ける惑星の痛み 大地と海の生命
御心のままに委ね 天国のドア開くなら
もう一度愛を 灯したい
あなたが大好きだった 同じ時代 生きていて
同じ時代 似た悲しみを
竜巻の中心のように
終わりはこんなにも 静かなのでしょうか
光に満ちた空 天上の音楽が聴こえる朝焼け
21 世界
WORLD 世界はあなたの足元に
地 風 水 火とこの生命
脈打つ 鼓動と体温のぬくもりは あなたの手の中に
宇宙の中の私 私の中の宇宙 輪廻
ガイアよ 踊ろう私は 錬金術のダンス
それは七つの海をわたる 変幻自在な精霊の舞
牡牛 獅子 鷹 天使 無限の花環の中心で
完成を祝う 勝利のダンス
さあ その翼 大いなる風が吹いて
花がひらくとき 羽ばたこう
世界が周囲を 取り巻いている
果てしない 銀河の天狼星は遠ざかり
熱帯魚のように 華麗なダンスを
地球で踊ろう オリュンポスの庭で
TAROT WITH COSMOS〜M.Cタロットの詩 完











