Primavera— Sakura
Primavera — Sakura
桜のころ、空は薄衣を纏い
時がほどける、春光。
風にゆれる 淡い花のいろ
春霞に そっとたゆたう
季節のうららぎだけが
静かに 満ちてゆく
アグライア(桜光)
春の光を薄桃にまとい
こころの奥へ
そっとあたたかさを灯す
エウプロシュネ(春智)
花霞のようにやわらかな知恵が
微笑みとなって
空気をそっと明るくする
タレイア(花守)
足もとにひらく
小さな桜の光を見つけ
春を告げる風のように微笑む
春爛漫に そよぐ三重奏
クロリス(若桜)
かろやかな春風とともにあらわれ
若葉と花の息づかいをのせて
新しい季節を運んでくる
フローラ(花綴)
うす紅の花の色をすくいあつめ
そっと季節を育てる
つぼみのよろこび
キューピティア(初桜)
小さな胸に宿った
うまれたてのときめきを
そっと届ける 愛のひとひら
プリマヴェーラ(満開)
満開の桜をひらかせ
世界を淡い光でつつむ
祝福の春そのもの
ビーナス(宵桜)
宵桜のような静けさで
春をやさしく見守り
世界を淡く照らす
エピローグ
春は、
やさしい。
ひとは花を見上げ、
花は風へとゆだねられ、
そのたびに
うす桃の気配が
そっと世界へしみ込んでゆく。
桜は散っても、
その一瞬に宿った光は
どこかで
またふわりと生まれる。
季節がめぐるたび、
春はかたちを変えながら
やわらかく
この世界を染めつづける。
—— うす桃にゆれる、春の夢。
——— Sonne Atelier











